愛する恐ろしい京都 (街角文化編)
関西圏と関東圏では、当然の事ながら言葉(関西弁、関東弁)も違う、風習も違う
東男yakumoが、京都において困った事、感じた事、感心した事などを、横浜人目線で書いてみる
始めに断って置くが、京都を卑下する、下に見るなどと戯けた意味合いではない、ただ感じた違いを
京女sanaの監修の元に、ちょっと綴ってみたくなったのだ。
なお、京都市全体では無く、概ね洛中(京都中心地)の限られた地域においての比較である
なんせ洛中以外の外へ、あまり出た事が無いので、紹介しようも無いのである・・・(中途半端ですいません)
〇いけず石
まず、「いけず」について軽く触れておくと、関東では直訳すると、「いけず=いじわる」と言われている
本当のいけずの意味とは違うのだが、関東人にいけずの説明をするには、本一冊ぐらいの説明が必要になるだろう
ごく簡単にだけ自分なりの解釈で説明する。
多くの書籍やネット情報を見ると、「いけず=いじわる」の方程式が固定化されている
文面にして、京都以外の人間が読めば、確かにそう読めてしまうのだろう
しかし、関東流のいじわるには、殆んどの場合「悪意がある」(大なり小なりあるだろうが)
信じられないだろうが、京都のいけずには「悪意が何も無い」のだ、
つまり単なる文化の違いによる【誤解】なのだ
関東では、【物事は明確に解りやすく伝える】という教育が染み付いているので、直接的な物言いになるのだが
京都の染み付いた文化はそれとは違う、
直接的なものの言い方は「感じが悪くなる」との認識で、絶対に口に出さないのだ
そこで登場したのが「いけず」である、表面上は蔑まず、貶めるような事は言わないが、
「この言葉から察しろよ」っ的なニュアンスを含ませた言葉を使うのだ
関東の様に、「解りやすく直接否定する」、「間違いを正す」のではなく、
京都のそれは、「言われた人が間違いに気が付いて、考えてくれれば良い」という、
【本人に恥をかかせない様な気使い】でもあるのだ (場の空気を悪くさせないためでもある)
京都人は、兎に角場の空気が重要視される文化なので、
「悪意の無い遠まわしな伝え方」となるのだ
京都人としては「気が付いて」と言っているのだが、
他からは「遠まわしないやみ」に映るのだろう
それがはっきり物を言わない、いじわるな言い方と認識されているようだ
本題に戻ろう
いけず石とは、京都だけではなく、日本全国で見受けられるのだが、「京都=いけず」のイメージで必然的に注目されている
京都の路地は非常に狭いため、車で通るのは難易度が高く、頻繁に車が家の角や壁を擦るなどの事故が生じる、そこで家の角に石を置いて家を守る、自衛手段として普及したのが始まりだ。


京都人は、兎に角揉め事が好きじゃない、下手くそなドライバーが家や塀にぶつかっても、そのまま逃げらるのは気分が悪いが、その都度ドライバーと揉める事はしたくない、京都人は「触らぬ神に祟りなし」を基本原則として生きている所がある、そこでいけず石を置く事にしてみたのだ。


ここでポイントとなるのは、あくまで自分の敷地内に置く事は合法であり、それにぶつかって車が壊れても、なんら責任は無い
車の方が勝手に敷地内に入って来たからである、これは古い町屋に多く見受けられる


しかし最近の住宅事情は敷地いっぱいに建物を建てる為、敷地内にいけず石を置くスペースが無い
したがって道路に直接置く状況が現出しているらしいが、これは完全に非合法で、置いた事が特定出来るなら
道路交通法違反となる(線路の置石と同じ)、諸刃の剣となる物も多い

いけず石のいやらしさは、別の所にもある、右ハンドルの車で左折しようとした時に、いけず石は殆んどの場合
直近では視認できないのだ、ガリガリと擦って初めて存在に気が付く事になる
地元の住民はそこにあるのを知っているが、「よそさん」は知らない・・・
ぶつかって初めて気付き、「京都人はいけずやなぁ」=意地悪やなぁって事になる
あくまで自衛の策なのだが、ぶつかった方には意地悪にしか取れないのだろう・・・

いけず石の利用法、雨どいからの雨水噴出を避け、歩行者への配慮としている

いけず石を探していて、sanaが面白い物を見つけた、〇に私・・・はじめて見た(開けて見たいけど、さすがに出来ひんな~)
〇京都は歩車道の優先順位が関東と違う
ある時、sanaが「大阪の友達によく京都は運転荒いてか恐いわぁ言われるんやけど」と言っていた
関東では、基本的に交差点では横断歩道を歩く歩行者が最優先されるが、京都では車が優先されている
関東の様に「引けるもんなら引いてみろ!」は通じない、ほんまに引かれるでぇ~
この点も京都の運転は荒いと、大阪の人によく言われる理由の一つなんだろう
実際問題として、限られたメインストリート以外は道幅が狭く、通行人がいなくなるまで悠長に待ってられへん
ってのが実状なのだろう
関東の標準4m道路が、3mだと思ってもいい所が随所にあるのだ、しかたがない

メインストリートの一つ、三条通り(sana曰く、これでも京都では大通りなんやでっ!)
次に歩道であるが、メインストリートにはかなり広い歩道を設けている、
がっ!しかしっ!!
ここも歩行者にとって安全ではない、
なぜなら、かなりの場所で自転車レーンが併設されているからだ
関東人のyakumoは普通に歩道を歩いているつもりだったが、sanaに「引かれるでぇ~」と声をかけられて振り向くと
自転車が避けもせずに突っ込んで来た、チリンチリン鳴らしながら・・・・
歩道の半分を自転車ゾーンが占めていて、更にその他の部分も普通に走行しているのだ、結構こわい!
これがまた通勤時間帯になると、暴走自転車軍団が大挙して走行するため、歩行者は自転車に轢かれないよう肩身狭く歩道の隅っこを歩くそうだ
特に街中撮り歩きをしているyakumoは、自転車にとってかなり弩迷惑な障害物だったであろう
以来街中では自転車にビビりながら撮り歩きをしている(結局こりてないのだが、勉強はした)

平地の多い京都市内は自転車の普及率が異常に高い!正に自転車王国である
最近では外国人観光客まで自転車乗ってるし、しかも集団で、
へたな公共機関より、自転車の方が早い場合もあるし、なにより買ってしまえば後はタダやし!
〇犬矢来(いぬやらい)、駒寄せ
京町家(きょうまちや)とは、京都に建てられた町屋である、職住一体型の住居形式で、建築様式としては町家造りと呼ばれる
ここでは関東では見かけない物が見受けられる、それは犬矢来(いぬやらい)、駒寄せなどと言われている
語源は「犬を追い払う」ということを「犬をやらう」と言い、その言葉に漢字を当てて「犬矢来」となったとされている
町屋の特徴、犬矢来は、生活に根差した実用性も高く、泥棒除けや道路との境界線の役目も果たしていると共に
雨が降った時に、地面からの雨水の跳ね返りが家の板塀に当たるのを防ぐ役割もある
端から痛む事を前提としているので、取り外しが容易で低コスト、曲げやすく加工し易い平割竹が一般的に使われている
平割竹に手打ちの釘である皆折釘が規則正しく列になり、シンプルなデザ インを作り出し町屋の風情を引き立てている
江戸時代中期から作られているようで、京都以外では、川越、近江八幡、 倉敷、尾道、津和野、松山、高知などにも現存している
しかし、いずれも旧家の老朽化、道路の拡張などで失われつつあるそうだ。


移動可能で、エアコンの室外機のカバーとして使ってる場合もある

金属製の物も近年は増えており、犬矢来としてだけではなく垣根の柵や装飾としても用いられている

しかし京都のお店や町屋には、不思議としっくりと来る、正に京都らしいと言えるものだろう
似た様な物に駒寄せがある、「駒(馬)を寄せる」=“駒寄せ”馬が家の塀を蹴ったりするのを防ぐとある
荷物を運んだ牛馬をつなぎ止めるためのものが装飾化したものだそうだ

手前の低い柵状のものがそうである

タイプはいろいろあるようだ

他にも丸太に竹棒を二本か三本ざっくりと縄で結んだだけの「つばどめ」などもある
〇虫籠窓(むしこまど)
明治期までの町家の2階部分に使われた標準的な窓で、開け閉めをする為ではなく通風や採光の為の窓である

基本的に縦の格子状になっている

中が見えず目隠しに丁度いい

半分しか写ってないが、代表的な虫籠窓である
〇ばったり床几(しょうぎ)
折りたたみ式のベンチでばったん床几ともいう、玄関先でくつろぐ為にあったのだろうが、現在は交通事情もあり
道に面した椅子を広げられる事も無く、減少の一途を辿っているようだ

内側の足を前に出してベンチになる構造

殆んどが玄関先にちょこんと付いているが、格納状態である

改築後にも新しく採用しているお店もあるようだ
〇格子
京町家に特徴的な格子、接道部に用いられる、光を採り入れ、中からは外が見えるが外からは中が見えにくいのが利点
紅殻格子とも呼ばれるものが多く、紅殻(べんがら)と呼ばれる酸化第二鉄(赤サビ)を主成分とした粉末にエゴマ油などを混ぜて塗られている防腐、防虫効果があるものだ
格子の形は構造、形態、商売(職業)などによって異なってくるようだ (図で説明しているサイト)

横の壁には格子は無く、道路側のみが格子となる

玄関も新興住宅以外は殆んどがこの様な格子を取り入れている
代表的な4つの格子を紹介しておく
糸屋格子
採光に適した格子構造をしており格子上部が切り取られている、色ものを扱う糸屋・呉服屋などの繊維関係のお店に用いられていた、切子の数(縦の一マスの本数)は職業の必要採光にあわせて、織屋は4本切子、糸・紐屋は3本切子、呉服屋は2本切子となっている。
京都には数多くの呉服店が残っているため、このタイプの格子を数多く見ることができる
仕舞屋格子(しもたやごうし)
商いを行っていない町家につけられた出格子で、1本1本の竪子が細く薄い形状で、できている。
酒屋・米屋格子
重い酒樽や米俵がぶつかっても壊れないように太い格子で頑丈に作られている。
炭屋格子
炭や薪を扱うため、燃えた炭が飛んでいくのを防ぐための作りになっています。近隣住民への配慮としてつけられるようになったため、格子のすき間を狭くなっている。
京都文化博物館の新館に行くと、「ろーじてんぽ」があり、ここの店舗は様々な格子が各店に展示されていて、実際に比較することができるので、機会があればどうぞ
東男yakumoが、京都において困った事、感じた事、感心した事などを、横浜人目線で書いてみる
始めに断って置くが、京都を卑下する、下に見るなどと戯けた意味合いではない、ただ感じた違いを
京女sanaの監修の元に、ちょっと綴ってみたくなったのだ。
なお、京都市全体では無く、概ね洛中(京都中心地)の限られた地域においての比較である
なんせ洛中以外の外へ、あまり出た事が無いので、紹介しようも無いのである・・・(中途半端ですいません)
〇いけず石
まず、「いけず」について軽く触れておくと、関東では直訳すると、「いけず=いじわる」と言われている
本当のいけずの意味とは違うのだが、関東人にいけずの説明をするには、本一冊ぐらいの説明が必要になるだろう
ごく簡単にだけ自分なりの解釈で説明する。
多くの書籍やネット情報を見ると、「いけず=いじわる」の方程式が固定化されている
文面にして、京都以外の人間が読めば、確かにそう読めてしまうのだろう
しかし、関東流のいじわるには、殆んどの場合「悪意がある」(大なり小なりあるだろうが)
信じられないだろうが、京都のいけずには「悪意が何も無い」のだ、
つまり単なる文化の違いによる【誤解】なのだ
関東では、【物事は明確に解りやすく伝える】という教育が染み付いているので、直接的な物言いになるのだが
京都の染み付いた文化はそれとは違う、
直接的なものの言い方は「感じが悪くなる」との認識で、絶対に口に出さないのだ
そこで登場したのが「いけず」である、表面上は蔑まず、貶めるような事は言わないが、
「この言葉から察しろよ」っ的なニュアンスを含ませた言葉を使うのだ
関東の様に、「解りやすく直接否定する」、「間違いを正す」のではなく、
京都のそれは、「言われた人が間違いに気が付いて、考えてくれれば良い」という、
【本人に恥をかかせない様な気使い】でもあるのだ (場の空気を悪くさせないためでもある)
京都人は、兎に角場の空気が重要視される文化なので、
「悪意の無い遠まわしな伝え方」となるのだ
京都人としては「気が付いて」と言っているのだが、
他からは「遠まわしないやみ」に映るのだろう
それがはっきり物を言わない、いじわるな言い方と認識されているようだ
本題に戻ろう
いけず石とは、京都だけではなく、日本全国で見受けられるのだが、「京都=いけず」のイメージで必然的に注目されている
京都の路地は非常に狭いため、車で通るのは難易度が高く、頻繁に車が家の角や壁を擦るなどの事故が生じる、そこで家の角に石を置いて家を守る、自衛手段として普及したのが始まりだ。


京都人は、兎に角揉め事が好きじゃない、下手くそなドライバーが家や塀にぶつかっても、そのまま逃げらるのは気分が悪いが、その都度ドライバーと揉める事はしたくない、京都人は「触らぬ神に祟りなし」を基本原則として生きている所がある、そこでいけず石を置く事にしてみたのだ。


ここでポイントとなるのは、あくまで自分の敷地内に置く事は合法であり、それにぶつかって車が壊れても、なんら責任は無い
車の方が勝手に敷地内に入って来たからである、これは古い町屋に多く見受けられる


しかし最近の住宅事情は敷地いっぱいに建物を建てる為、敷地内にいけず石を置くスペースが無い
したがって道路に直接置く状況が現出しているらしいが、これは完全に非合法で、置いた事が特定出来るなら
道路交通法違反となる(線路の置石と同じ)、諸刃の剣となる物も多い

いけず石のいやらしさは、別の所にもある、右ハンドルの車で左折しようとした時に、いけず石は殆んどの場合
直近では視認できないのだ、ガリガリと擦って初めて存在に気が付く事になる
地元の住民はそこにあるのを知っているが、「よそさん」は知らない・・・
ぶつかって初めて気付き、「京都人はいけずやなぁ」=意地悪やなぁって事になる
あくまで自衛の策なのだが、ぶつかった方には意地悪にしか取れないのだろう・・・

いけず石の利用法、雨どいからの雨水噴出を避け、歩行者への配慮としている

いけず石を探していて、sanaが面白い物を見つけた、〇に私・・・はじめて見た(開けて見たいけど、さすがに出来ひんな~)
〇京都は歩車道の優先順位が関東と違う
ある時、sanaが「大阪の友達によく京都は運転荒いてか恐いわぁ言われるんやけど」と言っていた
関東では、基本的に交差点では横断歩道を歩く歩行者が最優先されるが、京都では車が優先されている
関東の様に「引けるもんなら引いてみろ!」は通じない、ほんまに引かれるでぇ~
この点も京都の運転は荒いと、大阪の人によく言われる理由の一つなんだろう
実際問題として、限られたメインストリート以外は道幅が狭く、通行人がいなくなるまで悠長に待ってられへん
ってのが実状なのだろう
関東の標準4m道路が、3mだと思ってもいい所が随所にあるのだ、しかたがない

メインストリートの一つ、三条通り(sana曰く、これでも京都では大通りなんやでっ!)
次に歩道であるが、メインストリートにはかなり広い歩道を設けている、
がっ!しかしっ!!
ここも歩行者にとって安全ではない、
なぜなら、かなりの場所で自転車レーンが併設されているからだ
関東人のyakumoは普通に歩道を歩いているつもりだったが、sanaに「引かれるでぇ~」と声をかけられて振り向くと
自転車が避けもせずに突っ込んで来た、チリンチリン鳴らしながら・・・・
歩道の半分を自転車ゾーンが占めていて、更にその他の部分も普通に走行しているのだ、結構こわい!
これがまた通勤時間帯になると、暴走自転車軍団が大挙して走行するため、歩行者は自転車に轢かれないよう肩身狭く歩道の隅っこを歩くそうだ
特に街中撮り歩きをしているyakumoは、自転車にとってかなり弩迷惑な障害物だったであろう
以来街中では自転車にビビりながら撮り歩きをしている(結局こりてないのだが、勉強はした)

平地の多い京都市内は自転車の普及率が異常に高い!正に自転車王国である
最近では外国人観光客まで自転車乗ってるし、しかも集団で、
へたな公共機関より、自転車の方が早い場合もあるし、なにより買ってしまえば後はタダやし!
〇犬矢来(いぬやらい)、駒寄せ
京町家(きょうまちや)とは、京都に建てられた町屋である、職住一体型の住居形式で、建築様式としては町家造りと呼ばれる
ここでは関東では見かけない物が見受けられる、それは犬矢来(いぬやらい)、駒寄せなどと言われている
語源は「犬を追い払う」ということを「犬をやらう」と言い、その言葉に漢字を当てて「犬矢来」となったとされている
町屋の特徴、犬矢来は、生活に根差した実用性も高く、泥棒除けや道路との境界線の役目も果たしていると共に
雨が降った時に、地面からの雨水の跳ね返りが家の板塀に当たるのを防ぐ役割もある
端から痛む事を前提としているので、取り外しが容易で低コスト、曲げやすく加工し易い平割竹が一般的に使われている
平割竹に手打ちの釘である皆折釘が規則正しく列になり、シンプルなデザ インを作り出し町屋の風情を引き立てている
江戸時代中期から作られているようで、京都以外では、川越、近江八幡、 倉敷、尾道、津和野、松山、高知などにも現存している
しかし、いずれも旧家の老朽化、道路の拡張などで失われつつあるそうだ。


移動可能で、エアコンの室外機のカバーとして使ってる場合もある

金属製の物も近年は増えており、犬矢来としてだけではなく垣根の柵や装飾としても用いられている

しかし京都のお店や町屋には、不思議としっくりと来る、正に京都らしいと言えるものだろう
似た様な物に駒寄せがある、「駒(馬)を寄せる」=“駒寄せ”馬が家の塀を蹴ったりするのを防ぐとある
荷物を運んだ牛馬をつなぎ止めるためのものが装飾化したものだそうだ

手前の低い柵状のものがそうである

タイプはいろいろあるようだ

他にも丸太に竹棒を二本か三本ざっくりと縄で結んだだけの「つばどめ」などもある
〇虫籠窓(むしこまど)
明治期までの町家の2階部分に使われた標準的な窓で、開け閉めをする為ではなく通風や採光の為の窓である

基本的に縦の格子状になっている

中が見えず目隠しに丁度いい

半分しか写ってないが、代表的な虫籠窓である
〇ばったり床几(しょうぎ)
折りたたみ式のベンチでばったん床几ともいう、玄関先でくつろぐ為にあったのだろうが、現在は交通事情もあり
道に面した椅子を広げられる事も無く、減少の一途を辿っているようだ

内側の足を前に出してベンチになる構造

殆んどが玄関先にちょこんと付いているが、格納状態である

改築後にも新しく採用しているお店もあるようだ
〇格子
京町家に特徴的な格子、接道部に用いられる、光を採り入れ、中からは外が見えるが外からは中が見えにくいのが利点
紅殻格子とも呼ばれるものが多く、紅殻(べんがら)と呼ばれる酸化第二鉄(赤サビ)を主成分とした粉末にエゴマ油などを混ぜて塗られている防腐、防虫効果があるものだ
格子の形は構造、形態、商売(職業)などによって異なってくるようだ (図で説明しているサイト)

横の壁には格子は無く、道路側のみが格子となる

玄関も新興住宅以外は殆んどがこの様な格子を取り入れている
代表的な4つの格子を紹介しておく
糸屋格子
採光に適した格子構造をしており格子上部が切り取られている、色ものを扱う糸屋・呉服屋などの繊維関係のお店に用いられていた、切子の数(縦の一マスの本数)は職業の必要採光にあわせて、織屋は4本切子、糸・紐屋は3本切子、呉服屋は2本切子となっている。
京都には数多くの呉服店が残っているため、このタイプの格子を数多く見ることができる
仕舞屋格子(しもたやごうし)
商いを行っていない町家につけられた出格子で、1本1本の竪子が細く薄い形状で、できている。
酒屋・米屋格子
重い酒樽や米俵がぶつかっても壊れないように太い格子で頑丈に作られている。
炭屋格子
炭や薪を扱うため、燃えた炭が飛んでいくのを防ぐための作りになっています。近隣住民への配慮としてつけられるようになったため、格子のすき間を狭くなっている。
京都文化博物館の新館に行くと、「ろーじてんぽ」があり、ここの店舗は様々な格子が各店に展示されていて、実際に比較することができるので、機会があればどうぞ
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